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コミュニティと信頼
私は今月で、Indiegogoでの勤続10年目を迎えました。過去10年間で、世界は大きく変化しましたが変わらないことが一つあります。それは、起業家と愛好家を結び付け、一緒にアイデアを実現するというIndiegogoのビジョンです。
過去10年間で多くのことを学びました。我々の使命は同じですが、達成する方法は進化しなければなりません。そこで昨年「信頼と安全」に特化したチームを編成しました。
創業以来、私たちはアイデアを実現したいイノベーターに焦点を当ててきました。 映画、音楽、テクノロジー、社会貢献、何十万人もの起業家の不可能を可能にしてきました。その中で最も重要なのは、支援者のコミュニティです。 私たちの支援者は、文字通り大きな「群衆(クラウド)」となって、クラウドファンディングを支えています。
「コミュニティと信頼」はクラウドファンディングの基盤
率直に言って、支援者の期待に常に応えるのは大変です。特に創業時は、誰でもどんなプロジェクトでも、ほぼ制限なしに資金を調達できるオープンプラットフォームとして設立されたためでもあります。
しかし、決して悪用されてなりませんし、「オープン」であることが必ずしもコミュニティが望んでいるものではないことも学びました。それに クラウドファンディングはただの買い物でないということは、今では多くの人々に理解されています。インディーゴーゴーのコミュニティは、イノベーションに取り組むための安全で信頼できる場でなければなりません。
コミュニティと信頼は、クラウドファンディングの基盤です。素晴らしいアイデアを早期に取り入れるリスクを負うには、信頼は欠かせません。支援者が十分な情報に基づいた意思決定ができる信頼できるプラットフォームが必要です。
私たちの取り組み
我々は過去1年間、信頼を構築するため一生懸命取り組んできました。ここで全てをご紹介することはできませんが、大きな実績を数点ご説明します。
1. トラスト&セーフティ(信頼と安全)チーム
今年初めに、業界のベテランであるネルソン・ホーを迎え、トラスト&セーフティチームを刷新しました。 支援者のフィードバックを真剣に受け止め、より安全で、精査されたプラットフォームを目指し大きな進歩を遂げています。
2. 内部審査委員会
トラストチームの決定内容が、支援者の利益を常に念頭に置いていることを確認するため、内部審査委員会を設立しました。最もリスクの高いキャンペーンには、特別に担当グループを編成し審査を行います。
3. クラウドファンディング・トラスト・アライアンス
業界のトレンドとベストプラクティスを共有するため、GoFundMeと、アライアンスを共同設立しました。業界最大手のプレーヤーと協力できることをうれしく思います。また、他のプラットフォームとの提携の拡大も楽しみにしています。
4. ガイド・プログラム
我々が長年培った経験と専門知識は、起業家を成功へ導くことが可能です。全てのキャンペーンの成功を保証することはできませんが、より質の高い審査基準があれば、実行不可能なプロジェクトや、詐欺行為から支援者を守ることができます。我々の専門知識とリソースを最大限に活用し、今後すべてのキャンペーンに適用していきます。
5. 近日公開:ロイヤルティ・プログラム
過去10年間、沢山のキャンペーンを成功させました。我々が起業家と築いた関係は決して小さくはありません。ロイヤルティ・プログラムでは、成功の実績を持つ起業家が新たにローンチする場合、過去のリスクデータを参考にして審査基準を設定します。
信頼は一夜にして築けるものではありません。我々は常に向上し続けています。ここでご紹介したのは、安全性を保つために舞台裏で行っている事のほんの一部です。
来年には、支援者がリスクに見合う価値があるかどうかについて最善の決定を下せる情報をキャンページに盛り込みたいと考えています。小さな問題が大きな問題になる前に、最初の防衛線としてコミュニティを活用します。
私がIndiegogoに参加したとき、会社のモットーは「Together Do Anything(一緒にやればなんでも出来る)」でした。私はまだそれが本当だと信じています。我々のチームとコミュニティが協力すれば、業界が直面する困難な問題も解決出来るでしょう。それは正に、リスクを価値あるものに変換するという、クラウドファンディングの精神そのものです。
皆さんと一緒に実現させましょう。
ウィル・ヘインズ
プロダクト& カスタマートラスト担当バイスプレジデント